企業年金や国民年金基金の制度のあらまし
企業年金制度及び自営業者を対象とする国民年金基金制度は、公的年金を補完し、より豊かな老後生活に備えることを目的とするものです。
我が国の企業年金制度には、厚生年金基金制度、確定給付企業年金制度、確定拠出年金制度等があります。
厚生年金基金制度は、我が国の企業年金の中核をなす制度であり、国の老齢厚生年金の一部を国に代わって支給する(代行給付)とともに、企業の実情に応じて独自の上乗せ給付(プラスアルファ給付)を行うことにより、従業員により手厚い老後保障を行うことを目的として、昭和41年に発足しました。
その後、生活水準の向上や経済・投資環境の変化などを踏まえ、制度の充実・改善が図られてきましたが、平成15年9月からは、確定給付企業年金法の制定により、代行部分を国に返し(代行返上)、確定給付企業年金へ移行することも認められるようになっています。
確定給付企業年金制度は、厚生年金基金と異なり、国の厚生年金の代行を行わず、上乗せの年金給付のみを行う仕組みです。
厚生年金基金制度は、代行給付があるために終身年金を原則とする等の制約があり、また、近年の資産運用環境の悪化等により財政状況が大変厳しいものとなったことから、代行を行わず、労使の合意で柔軟な設計を行うことができる企業年金制度の創設の要望が寄せられていました。
そこで、労使の自主性を尊重しつつ、受給権の保護等を確保した企業年金制度として、平成14年4月に本制度が新たに導入されました。
確定拠出年金は、拠出された掛金が個人ごとに明確に区分され、掛金とその運用益との合計額をもとに給付額が決定される仕組みです。
これまでの確定給付型の企業年金は、中小零細企業や自営業者に十分に普及していないことや、転職時の年金資産の移換が不十分であること等の問題が指摘されていました。これらの問題に対処するため、平成13年10月に本制度が新たに導入されました。
国民年金基金制度は、自営業者等の国民年金第1号被保険者が、基礎年金に加え、所得等に応じて加入口数や給付の型を自らが選択することにより、老後の所得保障の充実を図ることを目的とした制度です。
サラリーマンには、厚生年金保険、厚生年金基金等の基礎年金の上乗せの制度があるのに対し、自営業者等の国民年金第1号被保険者については、基礎年金のみであったことから、基礎年金の上乗せの年金制度として、平成3年に導入されました。