◎過重労働による健康障害防止のための総合対策
過労死等の予防のための行政指導を進めるために、2002年2月に「過重労働による健康障害防止のための総合対策(旧総合対策)」が示されました。その後、労働安全衛生法が改正され(2005年11月)、医師による面接指導が法制化されたことに伴い、2006年3月に「過重労働による健康障害防止のための総合対策」が示されました。
●事業者に対する面接指導の実施義務化
面接指導の対象となるのは、法定労働時間(1週あたり40時間)を超える時間外・休日労働が、1月あたり100時間を超え、かつ、疲労の蓄積が認められるものであって、面接指導の実施の申し出をした従業員です。
●時間外・休日労働時間に応じた面接指導の実施の基準
時間外・休日労働時間 (1か月当たり) |
従業員自らの申し出 |
面接指導 |
100時間を超える |
あり |
確実に実施する。 |
80時間を超える |
あり |
実施するよう努める。 |
100時間を超える、または、2~6ヶ月の平均が80時間を超える |
なし |
実施するよう努める。 |
45時間を超える |
なし |
措置を講じることが望ましい。 |
●面接結果に基づいた事後措置
事業者は、面接指導の実施だけでなく、以下が求められている。
⇒面接指導の結果に基づいて、医師の意見を聞き、必要な労働者に対して必要な事後措置を講じる。
⇒面接指導の結果は、5年間の保存義務がある。
●面接指導実施の事務に従事した者の守秘義務(労働安全衛生法)
⇒違反した場合は罰則の適用がある。
事業者が講ずべき措置のポイント
労働時間等 |
労働者の健康管理 |
① 時間外・休日労働の削減 ・時間外労働は本来臨時的なものであり、休日労働の削減にも努める。 ② 年次有給休暇の取得促進 ・取得しやすい職場環境づくりと、取得促進を図る。 ③ 労働時間等の設定の改善 ・労働時間の設定の改善に適切に対処するため、必要な措置を講じる。 など |
① 健康管理体制の整備 ② 健康診断の実施 ③ 長時間労働者の面接指導 ・面接指導などを適切に実施するために、衛生委員会等で調査審議する。 ・面接指導をするための実施体制を整備し、申し出を行いやすくする。 など |