□ワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和のための行動指針)

1 行動指針の性格

本行動指針は、「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章」(以下「憲章」という。)で示す「仕事と生活の調和が実現した社会」を実現するため、企業や働く者、国民の効果的な取組、国や地方公共団体の施策の方針を定める。

 

2 「仕事と生活の調和が実現した社会」に必要とされる諸条件

憲章で示した「仕事と生活の調和が実現した社会の姿」の具体的な3つの社会が実現するために必要な条件はそれぞれ以下のとおりである。

 1)就労による経済的自立が可能な社会

若者が学校から職業に円滑に移行できること。

若者や母子家庭の母等が、就業を通じて経済的自立を図ることができること。

意欲と能力に応じ、非正規雇用から正規雇用へ移行できること。

就業形態に関わらず、公正な処遇や能力開発機会が確保されること。

 2)健康で豊かな生活のための時間が確保できる社会

企業や社会において、健康で豊かな生活ができるための時間を確保することの重要性が認識されていること。

労働時間関係法令が遵守されていること。

健康を害するような長時間労働がなく、希望する労働者が年次有給休暇を取得できるよう取組が促進されていること。

メリハリのきいた業務の進め方などにより時間当たり生産性も向上していること。

取引先との契約や消費など職場以外のあらゆる場面で仕事と生活の調和が考慮されていること。

 3)多様な働き方・生き方が選択できる社会

子育て中の親、働く意欲のある女性や高齢者などが、子育て期、中高年期といった人生の各段階に応じて多様で柔軟な働き方が可能となる制度があり、実際に利用できること。

多様な働き方に対応した育児、介護、地域活動、職業能力の形成等を支える社会的基盤が整備されていること。

就業形態に関わらず、公正な処遇や能力開発機会が確保されること(再掲)。

3 各主体の取組

仕事と生活の調和の実現の取組は、個々の企業の実情に合った効果的な進め方を労使で話し合い、自主的に取り組んでいくことが基本であるが、我が国の社会を持続可能で確かなものとすることに関わるものであることから、国と地方公共団体も、企業や働く者、国民の取組を積極的に支援するとともに、多様な働き方に対応した子育て支援や介護などのための社会的基盤づくりを積極的に行う。

(1)企業、働く者の取組

(総論)

経営トップがリーダーシップを発揮し、職場風土改革のための意識改革、柔軟な働き方の実現等に取り組む。 労使で仕事と生活の調和の実現に向けた目標を定めて、これに計画的に取り組み、点検する仕組みを作り、着実に実行する。

労使で働き方を見直し、業務の進め方・内容の見直しや個人の能力向上等によって、時間当たり生産性の向上に努める。企業は、雇用管理制度や人事評価制度の改革に努める。働く者も、職場の一員として、自らの働き方を見直し、時間制約の中でメリハリのある働き方に努める。

管理職は率先して職場風土改革に取り組み、働く者も職場の一員としてこれに努める。

経営者、管理職、働く者は、自らの企業内のみならず、関連企業や取引先の仕事と生活の調和にも配慮する。

働く者は、将来を見据えた自己啓発・能力開発に取り組み、企業はその取組を支援する。

労使団体等は連携して、民間主導の仕事と生活の調和に向けた気運の醸成などを行う。

労使は、就業の実態に応じて、均衡を考慮しつつ、労働契約を締結し、又は変更すべきものとする。

(就労による経済的自立)

就職困難者等を一定期間試行雇用するトライアル雇用などを活用しつつ、人物本位による正当な評価に基づく採用を行う。

パート労働者等については正規雇用へ移行しうる制度づくり等を行う。

就業形態に関わらず、公正な処遇や積極的な能力開発を行う。

(健康で豊かな生活のための時間の確保)

時間外労働の限度に関する基準を含め、労働時間関連法令の遵守を徹底する。

労使で長時間労働の抑制、年次有給休暇の取得促進など、労働時間等の設定改善のための業務の見直しや要員確保に取り組む。

社会全体の仕事と生活の調和に資するため、取引先への計画的な発注、納期設定に努める。

(多様な働き方の選択)

育児・介護休業、短時間勤務、短時間正社員制度、テレワーク、在宅就業など個人の置かれた状況に応じた柔軟な働き方を支える制度の整備、それらを利用しやすい職場風土づくりを進める。

男性の子育てへの関わりを支援・促進するため、男性の育児休業等の取得促進に向けた環境整備等に努める。

女性や高齢者等が再就職や継続就業できる機会を提供する。

就業形態に関わらず、公正な処遇や積極的な能力開発を行う。

 

(2)国民の取組

国民一人ひとりが、個々人の多様性を理解し、互いに尊重し合う。

自らの仕事と生活の調和の在り方について考え、周囲の理解を得ながらその実現を目指す。

家庭や地域の中での自らの役割を認識し、積極的な役割を果たす。

消費者の一人として、サービスを提供する労働者の働き方に配慮する。

(3)国の取組

(総論)

全国や地域での国民の理解や政労使の合意形成を促進する。

自営業者など雇用者以外の人も含めた仕事と生活の調和の重要性についての理解促進を図る。

生活の時間の確保や多様な働き方を可能とする雇用環境整備を目指した支援を進める。

働き方に中立的な税・社会保障制度の在り方を検討する。

経済全体の生産性の向上を図っていく観点から、中小企業対策(新分野への進出支援や事業再生・承継支援、下請取引の適正化の確保、資金調達の円滑化等)など包括的な取組を引き続き着実に推進する。

先進企業の好事例等の情報の収集・提供・助言、業務効率化のノウハウ提供、中小企業等が行う労働時間等設定改善の支援等、仕事と生活の調和の実現に取り組む企業への支援を推進する。

労働基準法、労働契約法、パートタイム労働法等関係法令の周知を図るとともに、法令遵守のための監督及び指導を強化する。

顕彰制度や企業の取組の診断・点検を支援すること、次世代育成支援対策推進法に基づく認定マーク(くるみんマーク)の周知等により、積極的取組企業の社会的な評価を推進する。

公共調達において、契約の内容に応じ仕事と生活の調和に積極的に取り組む企業を評価する取組を推進する。

働く者等の自己啓発や能力開発の取組を支援する。

労働者の健康を確保し、安心して働くことのできる職場環境を実現するためにメンタルヘルス対策を推進する。

行政機関においても、業務の効率化等により長時間労働の抑制を図るとともに、男性の育児休業の取得や介護のための両立支援制度の活用の促進など、率先して仕事と生活の調和に取り組む。

(就労による経済的自立)

勤労観・職業観を形成し、社会人・職業人として必要な能力を身につけた人材を育成するため、学校段階を通じたキャリア教育・職業教育を体系的に充実させる。また、キャリア教育を進めるにあたっては、社会・経済・雇用などの基本的な仕組みや労働者としての権利・義務、仕事と生活の調和の重要性など、キャリアを積み上げる上で必要な知識の理解についても促進を図る。

現在のジョブ・カード制度等を発展させ、非正規労働者を含めた、社会全体に通じる職業能力開発・評価制度を構築する。また、職場や地域での活動に必要な能力向上の機会を拡充するため、社会人の学習目的に応じた教育プログラムの提供や学習成果が適切に評価されるような枠組みの構築等により、社会人の大学や専修学校、公民館等における学習を促進する。

非正規労働者や長期失業者等に対し、職業訓練とその期間中の生活保障を行う求職者支援制度の創設に向けた検討を行い、トランポリン型の第2のセーフティネットを確立する。

フリーターの常用雇用化を支援する。

若者や母子家庭の母等、経済的自立が困難な者の就労を支援する。

(健康で豊かな生活のための時間の確保)

労使による長時間労働の抑制、年次有給休暇の取得促進など、労働時間等の設定改善の取組を支援する。

改正労働基準法(平成22年施行)に基づく割増賃金率の引上げへの対応や年次有給休暇取得促進を図るために改正した「労働時間等見直しガイドライン(労働時間等設定改善指針)」の周知等により、長時間労働の抑制及び年次有給休暇の取得促進を図る。

(多様な働き方の選択)

育児・介護休業、短時間勤務、短時間正社員制度、テレワークといった多様な働き方を推進するとともに、パート労働者の均衡待遇の推進、働く意欲と能力のある女性や高齢者の再就職や就業継続の支援、促進等、その多様な働き方を推進するための条件を整備する。

女性が主体的に働き方を選択できるよう、結婚、妊娠、出産といったライフイベントを視野に入れ、長期的な視点で自らの人生設計を行うことを支援する。

妊娠・出産を経ても働き続けたいという希望を持ちながらも離職する女性がいまだに多い現状を改善し、育児休業を取得しやすい環境を整備するとともに女性の就業率の向上を図る。

多様な働き方に対応した保育サービスの充実等多様な子育て支援を推進する。

在宅就業の環境整備のための枠組みを検討する。

「パパ・ママ育休プラス」等も活用した男性の育児休業の取得促進や学校や地域など様々な場で、男女が協力して子育てに関わることについての学習機会を提供すること等により男性の子育てへの関わりの支援・促進を図る。

地域のスポーツ活動や自然体験活動、文化活動等への親子での参加を促すとともに、保護者や地域住民等の学校支援活動などへの参加を促進し、男性が子育てに関わるきっかけを提供する。

地方公共団体や市民・NPO等による育児・介護の社会的基盤づくりを支援する。

多様な教育訓練システムの充実等、職業能力の形成支援に係る労働市場の社会的基盤を整備する。

 

(4)地方公共団体の取組

地方の実情に即した、仕事と生活の調和の実現に向けた住民の理解や合意形成を促進する。NPO等の活動を通じて中小企業経営者等の取組の促進を図る。

仕事と生活の調和の実現に積極的に取り組む企業に対する認証・認定制度や表彰、融資制度や優遇金利の設定、公共調達における優遇措置など、地方の実情に即した取組を行い、企業における取組を支援・促進する。

多様な働き方に対応した保育サービスの充実等多様な子育て支援を展開する。

地域の実情に応じて、育児・介護等を行う家族を支える社会的基盤を形成する。

 

4 仕事と生活の調和の実現の進捗状況の点検・評価

数値目標の設定や「仕事と生活の調和」実現度指標の活用により、仕事と生活の調和した社会の実現に向けた全体としての進捗状況を把握・評価し、政策への反映を図る。また、憲章、本行動指針の点検・評価を行うため、学識経験者、労使の代表で構成される検討の場を設け、数値目標や「仕事と生活の調和」実現度指標についても必要に応じて見直すこととする。

 

5 数値目標( 別紙1[PDF:31KB] )

仕事と生活の調和した社会の実現に向けた企業、働く者、国民、国及び地方公共団体の取組を推進するための社会全体の目標として、政策によって一定の影響を及ぼすことができる項目について数値目標を設定する。この数値目標は、社会全体として達成することを目指す目標であり、個々の個人や企業に課されるものではない。2020年の目標値は、取組が進んだ場合に達成される水準(<1>個人の希望が実現した場合を想定して推計した水準、又は、<2>施策の推進によって現状値や過去の傾向を押し上げた場合を想定して推計した水準等)を設定する。

6 「仕事と生活の調和」実現度指標の在り方( 別紙2[PDF:30KB] )

「仕事と生活の調和」実現度指標とは、我が国の社会全体でみた<1>個人の暮らし全般に渡る仕事と生活の調和の実現状況(個人の実現度指標)と、<2>それを促進するための環境の整備状況(環境整備指標)を数量的に把握するものである。個人の実現度指標については、「I 仕事・働き方」、「II 家庭生活」、「III 地域・社会活動」、「IV 学習や趣味・娯楽等」、「V 健康・休養」の5分野ごとに中項目、小項目を設け、環境整備指標については分野を設けず1つの指標とする。「仕事と生活の調和」実現度指標では、本行動指針で数値目標とされた指標を含む別紙2の構成要素に掲げられた指標を合成して作成する。この「仕事と生活の調和」実現度指標は、目標として設定するものではなく、仕事と生活の調和の進展度合いを測るものである。なお、憲章で定める「就労による経済的自立が可能な社会」、「健康で豊かな生活のための時間が確保できる社会」、「多様な働き方・生き方が選択できる社会」の3つの社会の姿の実現状況も本指標により把握することができる。

 

 

 

内閣府より

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